幻舟のよろず相談劇場 (2)


 
 どんな問題でも、ひとりで悩むより、他者に聞いてもらうと、フッと、モヤモヤが晴れたり解決のヒントが見えたりすることが人生にはよくあります。
 他者から知恵を得ることも大切で、無知こそ人生の損失です。
 本コーナーは、ホームページを通して、人生経験豊かな花柳幻舟が多岐にわたる悩み相談に真剣に答える自由空間です。ひとりで悩まないで、ぜひメールを!




<幻舟さん、どう思います。ちょっと教えて!>
 
 僕は生身の「女性」が恐くて仕方がありません。もっというと、不気味でキモチ悪い。半ば対人恐怖症でもあります。
 スクリーンや小説の中、想像上の女性にしか恋することができません。僕は異常でしょうか。
 こんな僕でもいつか女性を好きになったり、結婚したくなったりするのでしょうか。
【関東在住・男性・会社員・20代】




<ハイ お答えしましょう!>
 
 こういうときは一つ一つ消去法で考えていきましょう。
 生身の「女性」が恐い、不気味、キモチ悪いということに至った、何か体験や体感があったのですか?
 私の体験でいいますとね。
 私は大人ばっかりの世界で生まれ生活して、父親に育てられ大きくなりました。ですから、女である私なのですが、「女性」の気持ちがよくわからないときがあります。
 子どもを長期間お腹の中で育て、産み、育てるという現実そのものの行為を肌身で実感し生きる女性は常に現実を直視しなければなりません。そういった「生物学的」「現実主義」をいやおうなしに背負って生きる女性。その女性(母)を身近に見たり感じたりしたことのなかった私には、女性がよくわからないのです。世の中でいう「女らしく」という教育も私は受けていません。父親の遠くを見る目線や、夢や希望には、圧倒的に理解できるのですが、どうにも「女性」がわかりません。
 ですから、女性ばかりの集まりは、いたって弱いですし、会話の接ぎ穂が見当たらなかったり、怯えることも多々あります。
 他者からみてチッポケなことでも、あなたにとって、これまで何か体感した中に原因があるのかもしれません。ひょっとすると異性ではなく同性に興味を持っているのかもしれないし、でもネ、それだって何も恥ずかしいことでも異常な性でも決してありません。

 いくつ、何十歳になっても、フッとしたお出会いで、心を開くこともあります。それが結婚にならなくとも、人が人を愛することは素晴らしいことです。その出発点は、まず自分を愛すること、自分をいとしいと思うことではないかと、私は考えるのです。
 あなたは素直で心豊かな、とってもやさしくデリケートな人だと推察します。なぜならば、自分の弱点を、私に心を開いて話してくださっている人なのですから。