幻舟のよろず相談劇場 (2)


 
 どんな問題でも、ひとりで悩むより、他者に聞いてもらうと、フッと、モヤモヤが晴れたり解決のヒントが見えたりすることが人生にはよくあります。
 他者から知恵を得ることも大切で、無知こそ人生の損失です。
 本コーナーは、ホームページを通して、人生経験豊かな花柳幻舟が多岐にわたる悩み相談に真剣に答える自由空間です。ひとりで悩まないで、ぜひメールを!




<幻舟さん、どう思います。ちょっと教えて!>
 
 はじめまして。私は今、期するところがあり、勉強や稽古事をしているのですが、集中力が続きません。時間も欲しくて幻舟さんのように1日20時間、といきたいところなのですが、1日8時間寝ている自分には集中勉強×20時間という幻舟さんはスーパーヒューマンとしか思えません。やっぱり幻舟さんのように死に物狂いの覚悟がないと難しいことなのでしょうか?何かアドバイスしていただくとありがたいです。
【山口県・男性・43歳】





<ハイ お答えしましょう!>
 
 法学部の講師もいいましたし、心理学的にも人間の集中力には限界があります。
 集中力は、大きな目的を持って死に物狂いでやれば、3年間は続けられます。それ以上の年月は身体に障害が生じてきます。
 私の場合でいいますと、“仲間”といっていた人間どもが私の苦境の土壇場のときに、支えるどころか、“優先順位が変わった”等々と、あきれ返る言動で敵前逃亡をしていった“仲間づら”した実は偽善者たちへの煮えたぎるような怒り、加えて、父であり師である嵐 家三郎の死による喪失感もあいまって、退路を断った決意によって強烈な集中力が発揮、1日 20時間の勉強を貫徹させた。
 怒りは人間の想像を超えるパワーだと、私は今でも確信しています。
 幸せな、豊かな、余裕のある日々の中では、決して脅威の集中力は出ないと思います。
 せっぱ詰まった生活、これしかないという思いと、それをつき動かすジェット燃料は、断腸の思いの怒りだと考えます。
 貫徹したら、自分の夢が叶ったら、一歩前に進むんだと確信して、周辺のもろもろのことをすべて棚に上げ、誘惑を退けてひたすらまい進!
 小学校中退の私の場合、当時、掛け算、アルファベットもほとんど理解できませんでしたから、小学校の教科書を片手に、一方の手には六法と判例。人並みの勉強ではとても追いつきません。ですからなお、すべてを捨てて頑張るしかなかったのです。
 最後に一言。やったら誰でもできる、できないのは本人がやらないから、と私の体験からいえますね。
 最短距離を生みだす集中力パワーをいかすのは、“ すべての誘惑に勝つこと! ”ですよ。