幻舟のよろず相談劇場 (2)


 
 どんな問題でも、ひとりで悩むより、他者に聞いてもらうと、フッと、モヤモヤが晴れたり解決のヒントが見えたりすることが人生にはよくあります。
 他者から知恵を得ることも大切で、無知こそ人生の損失です。
 本コーナーは、ホームページを通して、人生経験豊かな花柳幻舟が多岐にわたる悩み相談に真剣に答える自由空間です。ひとりで悩まないで、ぜひメールを!




<幻舟さん、どう思います。ちょっと教えて!>
 
 幻舟さんは、日常の生活ゴミなど関係ないかもしれませんが、今やゴミの分別もきびしく、毎日、大変なんですよ。
 私の友人の市では、分別をきっちりしていないのが度重なると、ペナルティーで過料となる日も近いそうです。
 私も気をつけているのですが、ときおり面倒で、インチキして、生ゴミの日に、プラスチックの食器をかくして入れたりして‥‥。どうしたら、きっちり分別ルールが守れるのか、おチエをかして下さい。

【東京在住・IT関係で働く30代女性】




<ハイ お答えしましょう!>
 
 私も日常のゴミは自分できっちり処分していますよ。
 私のやり方は、ビールの空箱を2つ繋ぎ合わせ、残り物の包装紙などをきれいに貼り付けて、 @燃えるゴミ Aビン・カン・ペットボトル Bプラスチックなど と、3つに区切り(私の地区では、3種に分別なので)、面白がって、自分で箱を作りました。その箱にそのつど ほうり込んでおき、決められた曜日に出します。
 初めは面倒な気がしましたが、近ごろは商品の包装袋にもマークが印されていますし、もともとズボラな私ですが、基本ルールを守り、繰り返す、それだけのことで結構簡単。
 私の友人にヨーロッパの人が多くいます。彼(彼女)らも、リサイクルの初期は“面倒
!”と毎日舌打ちだったとか。ところが、それぞれ家庭で入れる箱を作って、決められた箱にさえ入れておけば、大したことないんだと、2〜3週間くらいで慣れたそうです。人間には、順応性があるのですね。
 今や、子どもさんのほうから、
「パパ、その箱じゃあないよ」
 と、いわれるくらいになっているとか。
 日本で暮らす外国籍の知人も、分別に馴染んだようで、分別するそれぞれの箱を色分けや、マンガを描いたりで結構楽しんでいるみたいです。
 あるマンションでは、外国の方が入居し、分別の意味が理解できないようで苦慮しているのですが、管理人が常駐していないそのマンションでは、私の知人が見るに見かね、収集してくださっている職員のみなさんに申し訳なさも相まって、ご自分がゴミを出すときは、余分に空き袋を持って出て、分別してあげているそうです。“甘えてるんと違う?”と、私の心の声が聞こえたのか、彼女はきっぱりと、
「親切に甘えさすようなワテと違う。ゴミの中から名前等捜して、本人特定できる場合は管理会社にTELを入れ、教育的指導をしてもらっています!」
 言葉や文化の違う者同士が、同じ地域で暮らすのだから、なかなか大変。
 でも、ひとりの行動など本人にとって 大したことではないと思われますが しかし、選挙と同じで、ひとりの一票は大したことがないけれど 10人の人が投票したら10票。ひとりの力は弱くても、数の力で世の中を変えることは可能なのです。
 自分ひとり、一つぐらい、エエやんか! なんて思う違反者が10人いたら? と想像してみてほしい。
 ゴミの分別が リサイクルや、地球温暖化を防ぐ等々と、壮大な話も大切ですが、結果それにつながる自分の身近なことに視点を当ててみましょう。
 分別は、ダテや酔狂でやっているわけではないのです。
 住民がきっちりやらないと、行政で分別係を雇います。ということは、その分別係の経費は誰が支払います? 住民、すなわち 私たちの税金へと負担される、このようにわかりやすい 思考を巡らしましょう。
 もうひとつ付け加えるなら、私の知人のように、親切でゴミの分別をしてくれている人もいるのですから、近ごろ忘れがちな、少しは他人への思いやり、やさしさも呼び起こして、自宅で、日々、チョコチョコ、面白がって、分別しておきましょう。