【第二幕】 |
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「 | 姫! 三太夫でございますぞ!」 |
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なんじゃ、三太夫か。その方、日頃はろくに登城せぬのにバレンタインデーが近付くとやたらと顔を出すのう。どうせ腰元の周りをウロチョロとつきまとい、ウソをついたらバレタデーとか!! そちの影響で、近頃、姫までサブ〜なるダジャレを言うようになってしもったワ! 島倉千代子レートだの本間千代子レートだのとつまらぬことを言うておるのであろう。どうじゃ?」 |
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「 |
ムグッ! フグッ!」 |
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図星のようじゃのう。そんなにチョコレートが欲しいのか、そちも可愛いのオ〜。ほれ、ここにマーブルチョコがあるぞ、亡き父君にいただいたものじゃ。赤でも黄でも好きな色のを持っていけ。いささか年代ものじゃがのう〜」
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「 |
姫! 三太夫はこれでも花柳藩の家老でござりますぞ! それをマーブルチョコなどと、それも20年前の骨董品を!」 |
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そうか、それでは要らぬのじゃな?」 |
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いや! いや、いや。それは……。三太夫はただ、マーブルチョコのテレビCMに出てた上原ゆかりちゃんが可愛かったと言いたかっただけで……。花柳藩の家老として、上原ゆかりちゃんは可愛いかったなぁと……そのぉ……。姫! マーブルチョコ、7色全部ちょうだい! |
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ところで姫! 昨今は、テレビジョンなどというものを見ておりますと、やたらと子供タレントが活躍しておりますなぁ。 上原ゆかりちゃんや、天才子役と云われたプリティ洋子などは子供タレントの先駆けといえますが、姫! 昨今の子供タレントについて姫のご意見をお聞かせくだされ!」 |
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「 | 三太夫、よく聞くのじゃあ〜。 単なる子どもが何かのはずみで、テレビ等に露出し、監督やプロデューサー、スタッフのおかげで、話題の“子役タレント”と持ち上げられ、有名タレントになる。 周りのスタッフたちは、子役に、一日機嫌よく務めてもらいたいため、ご機嫌うかがいは目にあまる。 その子に付いているのは、大体母親。子どもだけでなく、当然、マネージャーを兼ねている母親にもヨイショを繰り返す。 ヨイショしすぎで、妙な関係になったという子どもタレントの母親とプロデューサーの不倫話など、姫は聞いたことがあるぞ。 幼い頃から、大人たちに囲まれて機嫌気づまを取られ、なんでも許される取り巻き連中の大人たちと接しているうちに、子どもの心は正常には育ちはせんのじゃ。 聞くところによると、プリティ洋子なる子役は、「子どもながらも、大人たちと共に仕事をする!」という、仕事に対する意気込みを育てたのは、単純に甘やかしたり、機嫌を取ったりは一切していなかった大人たちのおかげで、現在、立派に成人し、法律・教育心理学者となっていると聞くゾ。 子役あがりの人間は、よくよく我が身をしっかりみつめていないと、大人の道具となり、使い捨ての芸能界で、自分を見失い、身を滅ぼす結果となろう。そのような哀れな実例は三太夫も知っているであろう。 映画界にこんな言葉がある。 『イヌと子役を出せば、どんな名優でも食われる……』 『イヌと子役の映画やテレビドラマは、高視聴率や客が入る』 いいえて妙じゃ。その程度でしか子役をみない世界なのじゃ。 子役の人気がいつまでも続くわけは決してない。子どもはいずれ大人になる。 子役あがりの人が、いつまでもそのままの人気者で高収入だと大きな思い違いで、人生を誤るのじゃぞえ、わかったか」 |
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「 |
ハハァ〜 三太夫、肝に銘じて……。勉強になりますなア〜。それでは、ゴメン!」 |
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「 |
あっ、三太夫! そち、マーブルチョコ? などと言ったが、姫は平成生まれジャ〜。そんな古い話、知るはずがなかろう! このうつけ者め!」 |
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【三太夫覚え帖】 三太夫のギャグは古すぎてわからん? 『島倉千代子』『本間千代子』『上原ゆかり』をご存じない方は無料動画サイドでご覧下され。 |
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