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各地の飛行場で、以前から売り出している、駅弁ならぬ空弁。 これもなかなかなもの。色んなお弁当に、心が乱れながら、いつも出発時間を気にしながら、買います。 最近の話。 飛行機の座席に座り、シートベルトをするなり、隣に座るちょっと太目の青年が、よっぽどお腹が空いていたのか、空弁らしきお弁当をひろげ、食べ始めたのです。 お弁当大好き人間の私としては、隣のお弁当がやたら気になります。横目でチラチラ盗み見。 “うん〜? これまで見たことのないお弁当や、美味しそう‥‥、なんというお弁当やろう? どこで買いはったんやろう? 美味しい? って、訊(き)いてみよかな?” と、頭の中でグルグル回る、お弁当への思い。 食べ方も、とってもきれいだし、お箸(はし)の持ち方もお行儀がよく、一層美味しそうに見えます。 「あの〜、それ、どこで買ったんですか?」 と、私はついに声に出してしまった。 おそらく、私の中の制御能力は、食欲に負けたんでしょう。 その青年もやさしい方で、ニッコリしながら、 「飛行場の3ヶ所くらいかな、売っていました」 「美味しいですか?」 なおも食い下がる私。 「エエ、ボク、空弁のとき、必ずこれです。美味しいですヨ」 “一口ちょうだい!”といい出しそうなセリフだけは飲み込んだんですが、ホンマ、美味しそうなお弁当でした。 「すみません、写真一枚を‥‥」 といい出せず、写真のないのが残念。 “ブタなんたら空弁”とかいったようですが、なぜか覚えていないのが不思議。 カロリー高そうなお弁当だけど、美味しそうだった、あの“ブタなんたら空弁”、あの小太りの青年にピッタシ、とっても似合っていました。 私は、“ブタなんたら空弁”を美味しそうに食べる青年を見すぎたのか、なんか、お腹一杯の感じで、せっかく買った 私の空弁をひろげず、講演先の楽屋で食べる結果となりました。 美味しそうだったけれど、あの“ブタなんたら空弁”、私にはちょっと‥‥。そうか、半分ならOKか。よし、こんど旅のとき、“ブタなんたら空弁”を買って、スタッフと半分コ、か!ヨ〜シ! そのときは、きっと、写真を撮りまっせ! |