本イベントをプロデュースしてくださった、丘乃れいさ んと知り合ったのは、私が大学を卒業して『小学校中退、 大学卒業』出版(明石書店)のサイン会パーティーの折で した。 出席したそれぞれの方が自己紹介して、丘乃れいさんの 番になったとき、込み上げてくるような思いをドーッと泪 となったのか、言葉なしで、えらい泣きはって。私にはち ょっと不思議でしたが、けど丘乃さんの情愛は真っ直ぐ私 に伝わりました。 「ハイ、別府の映画祭に……私のドキュメンタリー映画、 ドイツ・イギリスで一本ずつ大きな賞を取りまして、その 作品を別府で……」 「そう、私、行きます! 行きますからネ」 と、やさしく言ってくださった。 けど、私の心の中では、この人、絶対、来はらへん。こ れまで、この手のセリフ、何百人、いや何千人に聴いてき たことか。 を実行した人はおらん。 「来年、マツタケ、出ますから、送ります!」 「えっ! ほんなら……」 と。 色紙に“マツタケ、待ってます”てなマヌケなことまで 私は書いた。 しかし、マツタケどころか、キノコらしいものも、それ 以外の品物も、ハガキ一枚すらなし。 あれ以来、その人、音沙汰なしで、消え去った。マツタ ケ贈れなかったのが恥ずかしかったのかなア~。変なプラ イド!! 団体生活をして今日まで生きてきて悟っています。いや、 あきらめてきました。 に、約束の日、いきなり現れはった丘乃さん! 言葉には出しませんでしたが、 「ウソつきばかりやない! ホンマつきも、世の中、 いるねん!」 と、目からウロコならぬ、目からコンタクト落ち そうなくらい、ウルウルでした。 生きていたら、ええこともあるもんやと、心から 教えてもらいました丘乃さん! はった丘乃さんの知人といわれる大分の方。 私にとっては、真底ゆるしあえる、生涯忘れるこ とのできない友といえる女性とも出会いました。 きとして、あまりのひどい世の中で心がイガイガに なる私の心を、ヤンワリやさしくしてくれはった丘 乃さん。そして大分の盟友。 (こけら)落としに、ぜひはせ参じたい! と思い 続けて、ついに実現。 お客さんも、満員。おひねりも、バンバン右から 左から飛びまくり。 逝ってしまった私の父である師匠が、夢みて、貧 乏して、ついに実現できなかった、客席と舞台が一 緒になるという、生き生きとした公演が、まさに現 実化した、その瞬間でした。 丘乃れいさん、パートナーの剛さま、そして当日、ボラ ンティアでお手伝いしてくださった情の深いみなさんに感 謝。 ストラップ製作会社社長、大阪からレンタカーで来場し、 入場料払い、私の著書販売と、楽屋の手伝いまでさせられ た、お気の毒な“黒衣ヤマザキ”ありがとう。 いっぱいのやさしさを、忘れません。 人生、まんざらでもないか……。 |