![]() 【第十四幕】 |
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「 | 姫! 三太夫でござりますぞ! 明けましておめで……」 |
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「 | こりゃ、三太夫。今日を何日と思うておる。一月も、もう終りに近いぞ。今ごろ登城して新年の挨拶もあるまい。花柳藩はフレックスタイムではないぞ」 |
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「 | 姫! 三太夫は多忙でございました! 正月からザッケローニ監督に頼まれてサッカーワールドカップの分析をしておりましたぞ。過去の、日本チームのワールドカップ全試合の録画を見ておりましたのじゃ。中でも印象に残っているのはカメルーン戦でしたな。カメルーンと言えば姫! 姫はカメルーンの歌をご存じで?」 |
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「 |
もうよい、もうよい。また下らぬ駄洒落でもいうのであろう。この前もそうじゃ。フランチェスコ・トッティの話をしたときのことじゃ。そうじゃ。セリアAでASローマが優勝した時のキャプテンじゃ。中田英寿氏もローマ優勝に大いに貢献したな。そんな思い出話をしていたら三太夫、その方なんと申した。知らぬなら知らぬと言えばよかろう。いつものように知ったかぶりをして、『姫! トッティは、実は日本びいきでござりますぞ! しかも日本のアニメファンで、とりわけドラえもんが大好きでござりまするぞ! ドラえもんのテーマソングの中にもトッティのことが歌われておりますぞ! 姫はご存じで?』と言うものじゃから、姫もウカウカと聞いてしもうたわ。三太夫、その方は得意げに歌うたな。『♪〜 アンアンアン、トッティも大好き ドラエ〜モン〜♪』 シバいたろか! 今、思い出してもムカムカするわ!」 |
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「 |
姫! 花柳藩の姫が、シバいたろか! は、いけませぬぞ! それより、姫はカメルーンの歌をご存じで? いや、アフリカの歌を一曲でも歌えまするかな?」 |
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「 |
アフリカの歌? うーん……。『ワタルは強いぞ……』、これはTVドラマ『少年ケニア』の主題歌か……日本の歌じゃな……。三太夫、姫はアフリカの歌は知らぬな。カメルーンの歌とやらを教えてたもれ」 |
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「 |
ふふふ。さすがの姫もご存じないとは。では、カメルーンの歌をば……。ゴホン! エヘン! いきまするぞ! ♪〜 私の名前はカメルンでっす! ラララ カメルーン〜♪」 |
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「 |
三太夫! それはピンクレディの『カルメン‘77』じゃ! ええい! 一度ならず二度までも姫を謀りおって! 今日という今日は許さぬ! ここに父上、形見の鉄扇があるわ。投げつけてやろう! 見事、その禿げ頭で受け止めて見ぃ!」 ビュン!! ガゴッ!! 二日後 |
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「 | 姫! 三太夫でござりまするぞ!」 |
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「 | 三太夫か。なんじゃ? その方、額に大きな絆創膏を貼って? ああ、先日のガゴッ!か。あれはよい音がしたな。救急車で運ばれて行ったので、もう帰って来ぬかと思っておったわ」 |
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「 | 姫! 三太夫は、気がつけばお花畑におりましたぞ! 向こうの方から10年前に死んだおばあちゃんが手招きしておりましたがな、どうしても小川が渡り切れず、気がつけば集中治療室のベッドの上でした。ご典医の話では、あと2ミリ傷が深ければあっちの世界に逝っていたとか」 |
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「 | 惜しい! あと、2ミリであったか! しかし、それだけの傷を絆創膏一枚で済ますとは、ご典医の赤壁周庵先生も手抜きじゃな。で、今日はなんの用事じゃ?」 |
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「 | 姫! 先日、質問をするのを忘れておりました! 姫は今回の東京都知事選をどのように見ておられるので?」 |
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「 | たった一言で済む要件を、長々とつまらぬことを申すから姫のHPの評判が落ちるのじゃ。まぁ、良い。折角の質問じゃから答えてつかわそう。 どの候補者を見ても、まさに『いずこも同じ秋の夕暮れ……』ということじゃのう。 しかし、生贄(いけにえ)すなわちスケープゴートにされた前任者を操っていた人間が、自分以外は人とは思っていないかのような思考の御仁であった。またしゃしゃり出てくる可能性もあり。 周りの候補者を見渡して、“これならいける”と、あと出しジャンケン候補者もギリギリで出馬してくる可能性もあり。 未成年者強姦前歴を持つ者も、出馬の色気が見え隠れじゃ〜。 とにかく、借金だらけの我が国で、オリンピックを煽(あお)り、まったくなんら解決のメドもつかず、ほったらかしの東電による原発事故。 東京がやらなければならない重大な事案は山積。その事案を解決する順序を決して間違うてはならん。 市井の人の目線で動いてこそ、真の政治なのじゃからのう。今、オリンピックに浮かれている場合ではない! 今回だけではない。誰が、こんなカスみたいな人間に投票したのか! 誰が国会に送り込んだのか! 投票した国民、ここへ来て、土下座をしや! 姫が飛びゲリし、頭カチ割ってくれるワ! オッ、いかん、姫としたことが……、ホッホッホ……。 ま、とにかく、それぞれが責任を持ち、投票所に向かうこと。 意思表示の一つとして、投票しないとか、白紙で投票するという人がいるようじゃが、それは大間違い。 選挙の当日まで、よくよく勉強し、候補者の言動に惑わされることなく、誰のためでもない、自分自身の生活に関わる一票であることを強く自覚してもらいたいと、姫は心から願っておるゾ! ニッポン人の、市井の人々の意地とプライドを、都知事選で、ニッポン中に知らしめてくれるように……、コラ! 三太夫! キョロキョロせずに、姫の話を聴け! また鉄扇が飛ぶぞ!」 |
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【三太夫覚え帖】 さすがは姫君じゃ。ご高説を伺いスッキリといたし申した。いや、いっそのこと姫が東京都知事選に立候補してくだされば……。 ところで、次はどんなボケをかまそうか……。 やはりワールドカップネタかな? 初戦の相手はコートジボアールか。姫! コートジボアールの歌をご存じで? ♪〜 あなたぁを待つの テニスコートジボワール〜♪ ププッ! これは受けるぞ! 姫の「それは天地真理の『恋する夏の日じゃ!』という突っ込みが目に浮かぶわ。ギリシャすたれば この世は闇じゃ、というのもあるな。よし! 今度はヘルメット持参で行こう」 |
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