幻舟のよろず相談劇場 (2)


 
 どんな問題でも、ひとりで悩むより、他者に聞いてもらうと、フッと、モヤモヤが晴れたり解決のヒントが見えたりすることが人生にはよくあります。
 他者から知恵を得ることも大切で、無知こそ人生の損失です。
 本コーナーは、ホームページを通して、人生経験豊かな花柳幻舟が多岐にわたる悩み相談に真剣に答える自由空間です。ひとりで悩まないで、ぜひメールを!




<幻舟さん、どう思います。ちょっと教えて!>
 
 私は大手メーカーに31年勤務し、主に研究開発の仕事に携わってきました。その間、仕事で多少の業績を残せたり、一方人生途中で難病に罹患し、今は障害者になりました(難病は脊髄小脳変性症。但し小脳の細胞が死滅するタイプではなく脊髄細胞が死滅するタイプなので命には別状なし。現在外出時は車椅子)。会社は50代中半に「もう自分のすることは、この会社にはない。これから学校で一から新しいことを学ぼう」と思い辞めました。取り合えず放送大学に入って、何科目かを学ぶうちに、「やはり外に出て社会(人)と交流したい」と思う気持ちが強くなり(というのも、家にばかり居ることになってしまったため)、昨年障害者就職合同面接会を受け、採用試験を受けた6社の中から一社からのみ内定の承諾を受け昨年から働いております。今は働きながら放送大学の科目を履修しております。
 私は50代後半で団塊の世代より若干下です。私の悩みは老後は、何を目標(目的)に生きれば良いのかということです。
 私は私が勤めていた会社の先輩が定年後、どの様に生活されているか、時々何人かの先輩と連絡を取り合っているのですが、私が「手本にしたい」と思う生活をされている先輩はいません。また私には、したいこと、やりたいことがないのです(元々無趣味)。
加齢にともない、肉体は益々衰え、何れは病気になって死ぬことを考えた場合、生きていることに、どんな意味があるのか分かりません。
 昔から老人の願いは、「人に迷惑をかけず、ぽっくり逝く」ことだと聞いております。そういう話を聞くと私は、とても虚しくなります(誰でもが、そうでしょうが)。定年後人生は20年、下手をすると20年以上もあります。この長い年月を、どの様に生きていけば良いか、以前から、私はとても悩んでおります。団塊の世代が定年を迎えている現在、今後益々老人(初期老人を含む)が増えます。老後の生き方についてアドバイスを戴ければ有難いです。どうか宜しく御願い致します。

追伸
 多分、幻舟さんには、私の様な悩みは理解できないかも知れません。何故なら幻舟さんには使命感が、おありだから、そう思うのですが(私には、私が果たすべきライフワークがない状況です)。また幻舟さんは、いつも何故そんなに元気なのか分かりません。幻舟さんでも老いる不安とか恐怖といったものを感じられることはありますか。非礼な質問を御許し下さい。
【50代後半、男性より】



<ハイ お答えしましょう!>
 
 あなたの バックグラウンド等々について、まったく私は存じ上げませんので、軽々に答えられません。
 答えられるとしたら、たまたま偶然でも、あなたが「取り合えず」とおっしゃった 放送大学を、舞踊家という現役の職業を休眠して、人生の折り返し点を過ぎてから、命を賭けて挑戦し、卒業しました。そして、法学に興味を持ち、司法試験専門学校に入り、1日20時間にもおよぶ猛勉強にも向かいました。
 なぜ? どうして‥‥?
 その答えが、きっと、あなたが 私に問いかけておられる答えのひとつになるかもしれません。
 
 本ホームページ中に『著作物』の一覧表があります。その中の、下記著作をお読みください。
  ☆『小学校中退、大学卒業』(明石書店・2004年刊)
  ☆『逃げたらあかん』(KKロングセラーズ・2004年刊
  ☆『ウソつきは、人間の始まり』(健学社・2005年刊)
  ☆『14歳の死刑囚』(現代書館・2005年刊

 “使命感があろう”が なかろうが、他者の痛み、苦しみを我がことのように、想像しえる人間こそ、情愛深い、真の教養ある人間ではないだろうかと、私は思います。ですから自分以外の人に、“私の悩みは理解できないかも”と、初めから、決めつけないほうがいいのではないでしょうか。


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