やっかみでも、ひがみでも決してありません。 　無神経どころか、人生、自分たちだけが存在しているかのような、これみよがしの“家族写真” 鉄面皮な年賀状、うちにも多く来ますよ。 　ずーっと以前は、パッと見て、即、目線からはずして、一応、『来た人』という、年賀状のリストにチェックしてきました。 　しかし近年は、あなたと同じで、即シュレッダー。決して、我が家には残しません。 　現在の世の中の出来事を見ていて思うのですが、幸せに酔いしれていても、いつなんどき、可愛い顔をした我が子に、いきなり登山ナイフでグサリとやられる、な〜んて、よくあること。みせかけの楽しげな写真を他人さんに披露するその前に、家族同士のコミュニケーションが一番大切ではないでしょうか。 　幸せも不幸も、永久不滅ではないのです。思いもよらないアクシデントは、人生、つきもの。 　切ない思いで、自分の心を必死で抱え、ひとり息を殺して生きておられるような人は現在、ごまんといるのです。 　自分らが幸せやからといって、他者に見せびらかすことはありません。 　他者の痛みを思いやれ！ わからんのなら、体でいっぺん思い知らせたろか！　と、私なども心から怒ることがあります。 　それは、ひがみでも、やっかみでもないと思います。 　他者を思いやる、他者の心の奥底を思いやるやさしさ、それが教養というもの。そういったものが欠落している、おバカ一家の、おバカの表現力が この手の年賀状でしょう。 　私のところに来る年賀状に、父親が筆頭でコメントをつけ、そのあと　家族全員が　各自名前を入れ、メッセージを書いている それも印刷で。その内容たるや、マヌケな メッセージ。なんてのもあります。 　これなんか、底抜けにおバカ丸出しで、解放された家族を、デモンストレーションしているつもりか、ここまでやると、結構お笑い。 　祖父母や、親族なら喜ぶかもしれませんが、こっちら、そんなん、な〜んも関係ないおはなし。 　しかし、この手の年賀状を送ってくる人種は、高等教育を受けた人。もっと具体的にいうと、大学の教授クラスで、人権問題などにも力を入れている人。 　真の教養とは学問ではない！　という、検証のひとつになるかもしれませんね。 　一人暮らしの美しい女に イヤミ か！　と、スタッフたちと年賀状を整理しながら大笑いしますよ。 　薄氷の上を歩くような、危なく、自信のない家族の関係性だから、ことさら幸せを見せびらかして、記念に写真だけでも残したいんでしょう、こういう連中は。 　世の中 千差万別と、他者の痛みや、悲しみ、せつなさを思考できない 鉄面皮の エセ・インテリを、一緒に、思いきり、笑いましょう。