う〜ん、がっかりでしょうね。働いて、やっとの思いで買ったマンション、それも、お気に入りとくれば、なお、腹立たしいでしょう。 　世の中には、とくに近ごろでしょうが、他者をおもいやり、譲り合うという考えが、希薄になっているようです。 　自分自身、生きているのですから、同じ人間を見て、他者も生きているんだという、言葉にするまでもないことですが、深い思考があれば、なんなく解決できることばかり。 　路上でちょっと肩が当たったとかで大ゲンカ、なんて近ごろよく見かけます。こんなケンカ、昔のチンピラのヤクザの領分でしたのにネ、恥ずかしい限り。 　物事を深く考えられない、愚かで情けない人もいます、残念ですがネ。 　マンションなんて気取っていますが、もっとじっくり考えたら、長屋が原点。落語で、八っつぁん熊さんの出てくる長屋……それがマンションと名前が変わったとたん、人の情がなくなるんですからね。 　 　所有権者として、まず、マンション法にのっとって、総会の時に、この問題をはっきり議題に出すことを、私は薦めます。それは、所有権者の権利の行使です。 　しかし、その前に根回しも必要。あなたの住むマンションクラスになると、マンション組合として、管理会社を雇っていると思います。 　まず、その管理会社の担当者に、あなたにこまごまとクレームを付け、嫌がらせに等しい日常の出来事を、担当者に話してみること。総会の議題に出すことを前提にしてですよ。それは、あなたの権利の行使のひとつでもあり、そのために多額の管理費を払っているのですから。 　総会の席で、ご自分で話すのが苦手であったり、匿名にしてほしければ、管理会社の担当者に、事由を整理し、その旨をメモにして、ゆっくり、しっかり伝えておくといいでしょう。もし、その程度のことをやってくれない管理会社なら、解雇（管理会社を変える）を議題として提議し臨時総会を申し出ることもできます。 　他者の粗（あら）探しのうまい人もいますが、そういう人に限って、自分の欠点や悪癖は気づかぬ無神経な人です。また、異常に神経質な人もいたり、人は様々です。 　マンション生活は自由で楽な半面、生まれや育ち、それぞれのバックグラウンドの異なる赤の他人が、同じ屋根の下で共同生活しているという意識もまた必要。 　マンションという一室で、独立して生活していても、カベ一枚向こうは、自分だけのものではありません。 　共有スペースや、マンションの決まり事もあります。それを互いに守ることによって、快適な自由が得られると、私は思います。 　自由とは、責任が伴います。無責任に、好き放題のわがままが、自由では決してありません。そのことも総会に提議してください。 　お互い、住人同士が共同生活であることを常に意識すること、これが自由の代償でしょうか。